家族の絆と再生を丹念に綴った感動作「あの空をおぼえてる」で
竹野内豊、水野美紀が、素敵なパパ・ママぶりを舞台上で披露
「
現場で父性愛が芽生えてきて、
その気持をすごく大事にしました」(竹野内豊)
竹野内豊が、大ヒット・ラブ・ストーリー「冷静と情熱のあいだ」(2001)以来、7年ぶりにスクリーンにカム・バックして主演を果たした「あの空をおぼえてる」。満を持して竹野内が選んだのは、不慮の事故による娘の死という大きすぎる喪失感と対峙していく家族の再生を綴った感動作だ。
そこで、本作の完成披露舞台挨拶試写会が国際フォーラムで行われ、主演の竹野内豊、共演の水野美紀、子役の広田亮平、吉田里琴、冨樫森監督らが登壇した。
最初に舞台に登場したのは、他界する絵里奈役を天使のような笑顔で演じていた吉田里琴。彼女が「お父さーん」と呼ぶと、笑顔でやってきた竹野内豊が、彼女を抱っこして満面の笑顔を見せた。その後、母親役の水野美紀、絵里奈の兄・英治役の広田亮平、監督らが呼ばれ、キャスト4人は本物のファミリーのように仲睦まじい雰囲気で舞台に並んだ。
その後、苦悩の父親役にトライした竹野内豊がご挨拶。
「僕自身なかなかこういう形でみなさんにお会いできる機会がないので、今日は楽しみにしてきました。ようやくこの日を迎えられ胸がいっぱいです」
そして、母親役の水野美紀も本作に対する思い入れをこう語った。
「私はこの作品を自分の代表作にしたいと思ったくらい、最初の初号(試写)で感動しました。たくさんの方に見てもらいたいです」
久しぶりに子供たちと再会した竹野内は、
「ふたりともすっかり背が伸びて。びっくりしました」と父親のような目線で語った。
父親の役作りはどんなふうに行ったのか。
「自分のイメージの中ではなんとなくわかるものがあっても、子供に対する愛情の深さって理屈とかではないから、本当にどこまで自分が父親役を演じられるのか不安もありました。でも、現場でこの子たちの頼りない後ろ姿だったりを見ていたら、無性に守りたくなるというか。現場で父性愛が芽生えてきて。その気持をすごく大事にしました」
また、水野美紀も母親の役作りについてこう言った。
「周りにいるお母さんたちを観察したり、また、実際に里琴ちゃんたちのお母さんたちが現場にいたので、本当のお母さんたちを参考にしました。さりげない表現の中で、家族の感じを出せたらと」
そんな両親を演じたふたりに、子役のふたりはすっかりなついていた。長男・英治役の広田亮平は、
「竹野内さんも水野さんもすごくやさしくしてくれて。撮影してない時もたくさん遊んでくれて。すごくやさしいお父さんお母さんだなと」と笑顔で語った。
また、絵里奈役の吉田里琴もこう続けた。
「今日は、本当に会えてうれしくて。お父さんは抱っこしてくれるのがすごく楽しみで、お母さんは話をするのがすごく楽しみでした」
そんな彼らの板についた家族ぶりを微笑ましく見つめていた冨樫森監督。
「ただのいい話ではなく、すごくいい部分を含んでる映画です。この映画は家族という形を借りていますが、それぞれご自分のことやら、大切な人との関係性やら、生き死にのことやらを自分のこととして考えられるような作品として見てもらえれば幸いです」
最後に竹野内が、ゆっくりと言葉をかみしめるようにこう締めた。
「観終わってそれぞれの感じ方があると思いますが、ぜひ、今の本当の幸せってなんだろうってことを考えてもらいたいなと思います。もしその時間をいただけたら、僕としては、本当にこの映画をやってよかったなって思えます」
劇中で、事故に遭う前の一家の日常は、まぶしいくらいに幸せに包まれている。その幸せの純度が非常に高いからこそ、より一層、悲劇の後の灯火を消したような3人の表情が切ない。冨樫監督の言うとおり、家族のみならず、親しい人々の生死というものについて、改めて思いを馳せてしまう余韻のある作品となっている。
(取材・文卅MovieWalker山崎伸子)
http://www.walkerplus.com/tokyo/ ... ort/report5951.html
[
本帖最後由 阿管 於 2008-4-13 12:33 編輯 ]