Has this photo been posted already? Sorry if this is a double post.
注目映画『Sweet Rain 死神の精度』の完成披露会見。若手監督に大注目!
2008年1月30日
1月26日、映画『Sweet Rain 死神の精度』の完成披露会見が東京国際フォーラムで行われた。壇上には、6年ぶりに日本映画主演となる金城武をはじめ、小西真奈美や監督の筧昌也が顔をそろえた。
本作は、人気作家、伊坂幸太郎の連作短編集『死神の精度』が原作。物語は死神と1人の女性との心の交流を描いた感動作となっている。ユーモラスな “ミュージック好き”の死神、千葉(金城)の仕事はターゲットの行動を7日間観察し、“実行(死)”か“見送り(生かす)”を判定すること。だが、ターゲットになった藤木一恵(小西)を観察するうちに、千葉の心に変化がおとずれ、“特別じゃないけど、大切なもの”に気づいていく。
『リターナー』(2002年)以来となる日本映画の主演になる金城武は、「言われてみたら6年ぶりの主演映画なんですね。これまで間を空けることなくずっと映画の撮影に関わってきたので、6年ぶりと言われてみて、改めてそうなのか、と思ったぐらいです」と語った。
これまで中国・香港合作映画や香港・シンガポール合作映画などアジア中心に活躍してきた彼にとっては、今回の主演作品がたまたま日本映画だった、という印象なのかもしれない。
死神、千葉が登場するシーンは必ず雨が降るという設定で、撮影は梅雨狙いの5月∼7月に行われた。それでも雨は思うようには降らず、撮影が苦労したことについて、小西は「私は晴れ女の要素を持っているらしく、現場に行くたびに(晴れてしまって)申し訳ないなと思っていました。本物の雨が降らないときは、スタッフさんが用意した機材を使って雨を降らせてもらいました。雨というのが作品のなかで本当に印象的に描かれているので、とてもすばらしいシーンが撮れたと思っています」と撮影時の思い出を語った。
本作では雨だけでなく、音楽が重要なファクターとなっている。小西は役柄の時代設定である1980年代の音楽を撮影の合間に聞きながら役作りをしたという。また映画の主題歌を劇中名の“藤木一恵”として歌い、歌手デビューも果たしている。
久々に日本主演の金城やこの映画で歌手デビューを果たした小西の歌にも注目だが、もう一つ注目したいのは、監督の筧昌也。
今回が初の長編映画となる筧は、14歳で大手漫画誌の新人奨励賞を獲得。漫画の執筆を続けながら日本大学芸術学部在学中に2本の短編映画を製作し、北海道のゆうばり映画祭に入選した。2003年には短編映画『美女缶』で、ぴあフィルムフェスティバルなどの映画賞を獲得している。ほかにも小説も執筆するなど、多方面にわたり才能を発揮している30歳の若手注目株だ。今回の『Sweet Rain 死神の精度』の脚本も手がけている。
「自分が脚本に書いたことが、あとでえらいことになってしまって、胃がキューっと締まる思いでした(笑)」と雨やCGを使ったファンタジックな映像などに苦労したことを語り、映画監督らしいコメントを言いながらも、「記者会見も初めてで、世の中にこんなにもカメラがあるのかと思いました(笑)」と慣れない空気に驚きを見せていた。
主演の金城は「『美女缶』を拝見して、<面白い映画を撮るかただな>と思い、楽しみにしていました」とコメント。筧は「金城さんとは毎日毎日どういう芝居をして、どういう風に撮るかを話し合っていました。金城さんからは主演俳優であると同時に、作り手の立場に立っていろいろなアドバイスをもらいました。僕にとっては刺激的で密度の濃い毎日でした。出演者のみなさんの脚本に対する考えの深さに日々感動していました」と金城をはじめ、共演者のプロ意識を肌で感じたようだ。
会見では、ほかの共演者に混じり、恐縮している様子だったが、会見中のバックスクリーンに流れるオフショットでは、熱心に演技指導している筧の姿があった。2月からはフジテレビ系のドラマ『ロス:タイム:ライフ』でも作品が放映される。3月にはテアトル新宿で異例の筧昌也特集が上映される。
これまで本国アメリカの作品を中心に映画を配給するだけだった日本のワーナー映画だが、数年前からついに日本での映画制作に乗り出している。今作品は、2008年のワーナー映画の目玉作品の一つであり、監督の筧昌也への期待がうかがえる。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20080130/1006599/