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金城武がとぼけた死神役に
新作映画「Sweet Rain 死神の精度」(筧昌也監督、3月22日公開)の完成披露会見とジャパンプレミアが、27日、東京国際フォーラムで行われ、主演の俳優の金城武さん(34)、共演の小西真奈美さん(29)、富司純子さん(62)、監督の筧昌也(かけひ まさや=30)さんが出席した。
原作は伊坂幸太郎著の「死神の精度」。アニメーションや短編映像で活動してきた筧監督が初めて長編映画のメガホンを取った。
物語は1985年、2007年、2028年と3つの時代を舞台に展開。ユーモラスな死神がターゲットの行動を7日間観察し、“実行=死”か“見送り=生かす”を判定するという、死神と人間との心の交流が描かれている。
雨のシーンが多いとあって、去年の梅雨時に5月から7月にかけて撮影が行われたが、雨がなかなか降らず機材に頼ることが多かったとのこと。「雨を降らす機材を動かすのに時間がかかり、“雨待ち”が多かったです」と、主演の金城さん。
今回役名と同じ藤木一恵という名前で劇中歌も歌う、1985年の薄幸なヒロイン役の小西さんは「雨のシーンが印象的でしたが、私晴れ女なんです」とコメント。
2028年の美容師役「かずえ」を演じた富司さんは和服で登壇し、「ロケセットで建てられた一軒家の美容院がすばらしく、細部までていねいに作られていて、感動しました。いい映画になる予感がしました」と語った。
カマを持たないニュー死神?
本作品が初のメジャー作品となる筧監督は、「打ち合わせ時、キャストのキャラクター作りが本格的でびっくりしました。力不足を感じつつとても感動しました」。金城さんの印象を聞かれると、「役者でありながらクリエータとしても参加し、アドバイスをしてくれました。とても刺激的で濃い2か月間を過ごしました」と答えた。
記者との質疑応答で、「死神の役作りは?」と聞かれ、「伊坂さんの小説を読み、それまで持っていたマンガなどでのカマを持った死神のイメージはなくなりました」と金城さん。劇中ではおしゃれな黒のスーツに白い手袋、黒い相棒のイヌを連れて、“ミュージック”をこよなく愛する、ちょっと変った死神を演じている。「劇中でどんな“ミュージック”聴いていた?」との問いには「1985年当時の音楽」とのこと。
筧監督によると「荒井由実や、尾崎豊の曲が入ったコンピレーションアルバムやその当時の洋楽を流していた。自分も77年生まれで、聞いたことがなかったので新鮮だった」。セットや衣装も日本が元気だった80年代のテイストが盛り込まれており、懐かしさも感じられる。